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世界を代表するラグジュアリーリゾートを作るハレクラニ沖縄総支配人 吉江 潤 氏

取材・リクラボ 久保亮吾

100年の歴史を持つハワイを代表するラグジュアリーホテル「Halekulani(ハレクラニ)」。そのハレクラニが2019年、沖縄に開業する。業界大注目のホテルのトップに着任した吉江総支配人に話を聞いた。

世界を代表するラグジュアリーリゾートを作る ハレクラニ沖縄総支配人 吉江 潤
先日はラウンド(ゴルフ)ありがとうございました(笑)。業界屈指のゴルファーである吉江さんとまわることができて光栄でした。さすがのショット。そもそもゴルフ歴は何年なんですか。ベストスコアは。
こちらこそありがとうございました。リクラボの皆さんもお上手なので楽しかったです。私は16歳からゴルフをやっています。ベストは沖縄に来てから出した2アンダー。
東京でこんなスコア出すと「仕事してない!」と言われてしまいますけどね(笑)。沖縄はゴルフの上手な方が多いんですよ。コンペになれば必ず70台のスコアを出す方がいらっしゃいます。
また、ゴルフは社交としても最高です。1ラウンド一緒に回るのと、一度会食するのとを比べると、ゴルフは会食の何倍もの力で相手との距離が縮まります。沖縄ではゴルフは社交に必須。ですから、弊社のDOSM(セールス&マーケティング部長)は、ゴルフ未経験者なので、ジョブ・ディスクリプションに“ゴルフの練習”と入れておきました(笑)。
さて、ハレクラニ沖縄です。開業は2019年とはいえ、人材採用に関してはトップギアな雰囲気を感じます。どんな人が欲しいですか。
ハレクラニ沖縄にお迎えしたい人の条件はシンプルです。それはお客様をはじめとして周囲の人をハッピーにさせたい人。誰に対しても思いやりのある行動ができる人。そして、チームワークを尊重できる人です。
私は長くホテル業界で仕事をしてきましたが、実は、この世界に入る前に抱いていた志が達成できない時間も長かったのです。お客様を心底喜ばせ、従業員がみんなハッピーな空間で仕事をすること。それがホテル業界だと思っていたのですが、現実にはビジネスですから、利益を出さなけなければならず、どちらかというと、どの会社もCSやESよりもファイナンスの価値観が上位にあったように思います。
それが、ザ・リッツ・カールトンで変わったと?
はい。今の私のホテリエ哲学を作ってくれたのはリッツ・カールトンです。ザ・リッツ・カールトン東京開業時に『クレド』の精神と具体的な仕組みを知ったとき、「自分がやりたかったホテルはこれだ!」と心から思いました。
スタッフをハッピーにして、そのスタッフがお客様をハッピーにする。とてもシンプルなことですが、本気でそれをファイナンスよりも上位に置いて戦っているホテルは少ないです。しかし、リッツ・カールトンではそれをやっていた。私がリッツ・カールトンの前に仕事をしていたホテルにはない哲学と仕組みを知った時、私は心から感動しました。
だから吉江さんの体にはブルーの血が流れているとまで、ご自身でもおっしゃる(笑)。でも、今回ハレクラニ沖縄というチャレンジに向かった真意は。
リッツ・カールトンを超える本当のラグジュアリーホテルを作ることができると確信したからです。
その要素は3つ。
1つ目は三井不動産が手がける直営のリゾートであること。
2つ目はロケーションのみならず、稀に見るスケール感があること。
そして3つ目はハレクラニという世界から支持されているブランドであること。
現在行っている採用活動が成功して、最高のメンバーが集まれば完璧でしょう。すでにディレクタークラスは揃ってきました。考えられる限り最高の布陣です。しかし、ディレクター陣も決して経歴やスキルで選抜したわけではなく、私は人柄を重視しました。その結果、スキルも素晴らしいメンバーを採用することができました。このプロジェクトは、何よりも人物重視で採用活動を行っていきたいと考えています。
三井不動産の案件であったことは大きな要素でしたか。
はい。私は、マンダリン オリエンタル 東京やザ・リッツ・カールトン東京在籍時に三井不動産の方々と面識がありました。お世辞抜きに皆さん本当に紳士ばかりで、「世の中にはこんな素晴らしい会社が存在するんだ!」と思いました。とにかく人間として素晴らしい方ばかりで、憧れの目で三井不動産という会社を見ていました。
その感覚はこちらに入社してからも増すばかりです。
「とにかく人物重視の採用をしよう!」というのはオーナーと我々の共通認識。このオーナーの元であれば、私が長年理想としていたホテルを作ることができると感じています。
オーナーがどういう考え方でホテルを作るのか。これはとても重要なことです。最高のブランドを育てるには時間が必要になる。それをオーナーが理解してくれるかどうかです。
パークハイアット東京在籍時のことを思い出します。開業前、「あのような場所に高単価なホテルを作っても上手くいくわけがない。」と業界の方々は仰っていました。しかし、数年経ったらどうでしょう。見事に業界でも一目置かれる存在になりました。私自身の経歴も、パークハイアット東京で過ごしたことによって、とても輝かしいものにしていただきました。同じようなことをハレクラニ沖縄で実現したい。ハレクラニ沖縄というホテル名が履歴書に入っていたら、誰からも一目置かれるようなホテルにしていきます。
今、仲間入りしてくれれば、数年後には「すごいね。ハレクラニ沖縄の開業メンバーなんだね!」と必ず言われるようになると確信しています。
あらためてハレクラニ沖縄が目指すものを教えてください。
「世界を代表するラグジュアリーリゾート」。これが私たちのビジョン。沖縄を代表するでもなければ、日本を代表するでもないのです。日本人だけでなく、世界の多くの方々から「どこのラグジュアリーリゾートが最高なの?」と問われたときに、誰しも「ハレクラニ沖縄」と答える。それが私たちの目指すところですので、それを時間をかけて作っていきます。
昨年10月にハワイのハレクラニを訪れ、現地のスタッフと話をしてまいりました。皆さんすごくハッピーで誇りを持ってお仕事をされていました。何十年も勤務しているスタッフがたくさんいて、年齢が80代のスタッフもいるのです。凄いでしょう?
先ほど申し上げた、私が大切にしたいこと。スタッフをハッピーにして、そのスタッフがお客様をハッピーにして、リピーターが生まれてビジネスもうまくいく。シンプルですが、なかなか実現しがたいことをこのホテルで実現させるべく取り組んでまいります。
ハワイの80代のスタッフのお誕生日には、世界中のハレクラニファンが駆けつけるそうです。沖縄も必ずそういうホテルにしていきたいと考えています。
ハレクラニ沖縄
ハレクラニ沖縄
所在地 沖縄県国頭郡恩納村字名嘉真下袋原1967番1外(地番)
計画地敷地面積 87,145.70㎡(26,361.57坪)
交通(アクセス) 那覇空港より車で約75分
延床面積 41,746.92㎡(12,628.44坪)
構造・規模 鉄筋コンクリート造・地上10階他
開業 2019年夏(予定)
客室数 360室
付帯施設 レストラン、バー、屋内外プール、スパ、フィットネスジム等

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