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求む、クリエイティブな料飲人ハレクラニ沖縄 料飲部長 岡田 友嗣 氏

取材・リクラボ 久保亮吾  撮影・大崎 聡
協力・THE APOLLO

ヒットレストランを次々とクリエイトするトランジットジェネラルオフィスの岡田友嗣氏がハレクラニ沖縄の料飲部長に就任したというニュースは、知る人に言わせれば“けっこうな衝撃”だったに違いない。ホテリエらしからぬ雰囲気、東京のレストランの流行の最先端を走って来た男。彼が創る“新しいレベルのホテル内レストラン”とは。

求む、クリエイティブな料飲人 ハレクラニ沖縄 料飲部長 岡田 友嗣 氏
今日は岡田さんらしい場所でインタビューができて嬉しいです。前職のトランジットジェネラルオフィスのレストランですね。
オーストラリアのシドニーにある「アポロ ( THE APOLLO )」の日本店です。2016年にオープンした東急プラザ銀座の上層階に開業しました。
欧米では非常にポピュラーなギリシャ料理をオシャレな雰囲気の中楽しめる東京でも唯一無二のお店です。店長の田中さんも、私と同じ元ホテリエです。彼も私と同様、もはやあまりホテリエっぽくない感じになっていますが。(笑)
岡田さんはフォーシーズンズやザ・リッツ・カールトンという外資のホテルを経験して、海外経験も積んで、そこからトランジットという流行のレストランをバンバン創ってヒットを飛ばす外食の会社に行っている。そして今、また最高級ラグジュアリーリゾートホテルの料飲部長へ。私が思うに、これってホテリエとしての新しいキャリアの作り方、そして今求められているかもしれないキャリアパスな気がするのですが、どう思われます?
うーーん、自分の中ではあまりホテルとか外食とかの垣根はないんですよね。ただ、最先端にはいたい。レストランに関わる我々がお客様より情報やセンスで遅れているようじゃ全然ダメだと思っています。そんなんじゃ、本当にお客様を満足させられるものは生み出せない。
トランジットはその意味では素晴らしい会社ですよね。いくつかのプロジェクトに関わらせてもらって、特にドミニクアンセルベーカリーのプロジェクトの時は、ニューヨークに行ってシェフのドミニク・アンセルさんを口説くところから、表参道に店を出すまでの全てを経験できました。あのような経験はホテルだとなかなかできないかもしれませんね。
そもそもホテルからトランジットに行ったのはなぜ?
きっかけはパトリックさん(トランジットジェネラルオフィスの常務執行役員である岡田光さんのこと)に誘われたから。パトリックさんも元ホテリエなので、彼の説明は説得力がありました。ホテルというのはどうしても1つの箱で物事が完結しがちじゃないですか。でも、外食はどんどん新しいものを展開できる。すごく可能性を感じました。実際に4年半やって、中村社長や垂水副社長から多くのことを学ばせて頂きました。
ハレクラニ沖縄を選んだ決め手は?
吉江GMと話して、「ザ・リッツ・カールトンやフォーシーズンズを超えてみせる」という言葉に確信のようなものを感じたからです。実際、その目標達成に対してチャレンジしたいと感じましたし、そのために必要な条件がこの会社にはそろっていると思います。
結果論的に言えば、三井不動産が手掛けるプロジェクトだからということも大きいと思います。私はフォーシーズンズ、ザ・リッツ・カールトン、ペニンシュラという世界的ラグジュアリーホテルで仕事をしてきました。その後にトランジットで経験を積んだわけで、もしホテルに戻るのであればこの3ブランドは超えるステージに行きたいじゃないですか。でも、そういうブランドは世界にはなかなか無い。でもハレクラニ沖縄はFやRやPを超えるステージだって思えたので、ここを選びました。
これはちょっと前に自分のフェイスブックにも書いたことなのですが、自分が沖縄に行く理由は何か?
それは今までとはまったく違うユニークなF&Bを作るために行くのです。
どんなF&Bを目指して、そのためにどんな人材が必要でしょう。
一言で言うと、目指すのは「デスティネーション・レストラン」。たまたまそこのホテルに泊まったから食べに行くレストランではなく、そのレストランで食べるためにその場所を目指してもらうレストランです。究極、ハレクラニ沖縄には泊まっていなくても、「食事だけはハレクラニ沖縄に行きたいよね」と言われるレストランを創ります。
沖縄やハワイって、お客様もそこで働くスタッフも「リゾートだから・・・」っていう妥協があるホテルやレストランがあるように思います。心の中では(そんなに美味しくないなあ)と感じていても(まあでも、この素晴らしい海と景色があるから気持ちいいよねえ)みたいな。
それではダメ。私たちのホテルではそれは許さないです。
たとえ一皿の料理。その料理をそのまま切り取って東京に持ってきても「おいしいね」「すてきだね」「カッコいいね」っていう感想がもらえるものでなくてはダメです。
だから、スタッフに求めるのは“クリエイティビティ”。
どんな時も「このレストランって、どうやったらもっと素敵になるだろう?」、「この料理ってどうすれば、もっと美味しくなるだろう?」という探究心を持って新たなアイデアや工夫を創造し続ける人材がほしいです。これは自分たちの自己満足ではなく、常にお客様の期待以上のサービスや商品を提供するのが目的だからです。
もちろん、若いホテリエでそういう経験が少ない人たちには徹底した訓練をします。でも、そもそもそういう気持ちの無い人は私たちの仲間になるのは厳しいと思います。決められた業務を決められたレベルでやり続けることが心地良い人はハレクラニ沖縄の仕事は難しいと思います。
都会の最先端を行くレストランで食べ慣れている人がハレクラニ沖縄にも来るわけですよね。どうも、街場のレストランのほうがどんどん先へ行って、面白みとか新しさっていう意味でホテルのほうが劣後している感があります。
今はそうかもしれないです。でも、私自身はトランジットに入社したとき、ホテルで身につけたことをトランジット風にアジャストしてインストールして、それでうまくいくという経験をたくさんしました。フォーシーズンズが長いので、あちらで習得したことをインストールすることが多かったです。やはり、世界展開できているブランドには基盤となる様々な仕組みがよくできている。それを学べたことはよかったと思っています。
ホテル業界には良い基盤があるのだから、あとはホテリエがクリエイティビティ(創造性)を絶やさないこと。外食に負けないホテル内レストランを創らないと、本当に満足はしてもらえないですよね。
ズバリ、ハレクラニ沖縄におけるレストランの目玉は。
一番の目玉はイノベーティブレストランです。今や東京でも予約の取れない店で有名なミシュラン2つ星のフロリレージュ(外苑前)の川手シェフの監修を入れ、ハレクラニ沖縄に来なければ食べられない料理を提供する店を創ります。Asia's 50 Best Restaurantsでも3位に入るなど国内外で高い評価受け、東京のレストランシーンで一番熱い方です。その彼の独創性が沖縄の食文化、風土気候の要素と合わさった時に生れる料理は私自身も非常に楽しみでなりません。
あとは「朝食」ですね。朝食の良し悪しはホテルの評価に直結します。リゾートでの最高の朝のスタートには、料理にもサービスにも「こだわり」を詰めた朝食を提供出来るように総料理長とセットアップしています。是非こちらも楽しみにしていてください。
その他にも各レストランで目玉になる一品や「ここに来たらコレ!」と言う料理の数々は、宿泊のお客様はもとより食事のみでお越しのお客様にもお楽しみ頂けると思います。
実は今回のハレクラニ沖縄プロジェクトにおいて、私の中では“裏目標”があります。
それは、例えば沖縄旅行帰りの方が地元の都市に戻って、「え~、沖縄に行ったのにハレクラニ沖縄のアレ、食べてないの?」っていう会話がお客様の口から自然に飛び出すこと。そういうことが起きるようなレストランをハレクラニ沖縄に創りたいです。その開業メンバーですから、絶対面白いと思いますよ。興味ある人はジョインしてください。
【profile】岡田友嗣(おかだ・ゆうじ)
1975年東京都生まれ。祖父が代々木上原で寿司店を営み小さい頃から「食べる事」に強い興味を持つ。英ロンドンのBarnet and Southgate Collegeでホスピタリティマネジメントを学び、帰国後フォーシーズンズホテル椿山荘(現ホテル椿山荘東京)、フォーシーズンズホテル丸の内に勤務。その後、ザ・ペニンシュラ東京、豪メルボルンのCrown Melbourne、ザ・リッツ・カールトン東京を経て、トランジットジェネラルオフィスに入社。2018年6月に三井不動産リゾートマネジメント株式会社(ハレクラニ沖縄)に入社し、料飲部長に就任。
岡田友嗣(おかだ・ゆうじ)

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